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「達人と歩く町」第4回目は『アジアの中の日本開港』
「達人と歩く町」第4回講座を9月12日(水)県立歴史博物館で行いました。

  9月12日(水)異常な暑さも和らぎ秋の涼しさを感じる朝、関内にある「県立歴史博物館」に48名(出席率80%)が集まりました。今回の「達人」は主任学芸員の嶋村元宏さんです。

嶋村さんのお話は、一般的に日本の開国はアメリカのペリーとの間で「日米和親条約」が結ばれ、その後ハリスの奮闘により「通商条約」が締結された結果、つまりアメリカの主導によってなされたと考えられているのに対し、日米関係だけに目を向けず、「アジアの中の日本開港」としてとらえることにより、新たな開国史像が提示されてくるというものでした。 冒頭から会員の皆さんにとって常識が覆される内容であり、興味津々と身を乗り出して聞かれていました。

当時のアジアという視点でみれば最大の勢力はイギリスであり、イギリス香港総督ジョン・バウリングによる1855年の英シャム通商条約(バウリング条約)の締結をベースに、ハリスも参考にしながら1858年日米通商条約にこぎ着けました。 また、開国を一方的に押し付けられた敗者としてではなく、自主的な通商論を背景に幕府が作り上げた歴史を知ることで、より広く深く開国をとらえることが出来ます。

学校で習うような日米通商条約は日米和親条約の改訂などではなく、アジア各国における通商条約を日本も学び、ハリスも学び、日本との条約が締結され開国されることになったというものでした。 レジメに記載されている論拠となる「史料」を元に話が進むので、皆さん納得しながら聞き入っていました。  

講話の後、現在開催中の特別展「真明解 明治美術」(8/4〜9/30)について、企画された角田拓朗主任学芸員より、開催主旨、明治美術の魅力、展示構成についてご説明いただきました。わかりにくい「明治美術」をわかりやすく、「和魂」×「洋才」というその魅力は、西洋の技術・手法を受け入れなければという強い想いと、受け入れることが出来る柔軟な頭から生まれたという熱心な説明は、角田さんの明治美術や今回の展示に対する熱い想いが伝わりました。

五姓田義松の老母像、宮川香山の陶器など展覧会のイメージを作る5つの作品、絵画、立体、印刷、美術雑誌/美術教育の展示を、4グループに分かれ、それぞれボランティアガイドの方々の解説を聞きながら鑑賞しましたが、駆け足だったにもかかわらずポイントがよくわかりました。  

参加者からは、「幕末から開国、そして明治維新と具体的な史料や意外な話を聞き、明治初期の美術品に接して密度が濃い講座だった」という声が聞かれました。またじっくり鑑賞したいという方もあり、昼食後特別展に再入場された方もおられたようです。    

終了後、希望者30名により、桜木町駅近くのレストランで懇親昼食会を開催しました。アルコールが入った方もあり、講座の感想や来年度の希望テーマなどの話題で盛り上がりました。今後の活動やテーマ企画に反映して行く積りです。  

次回は、10月10日(水)横浜市栄公会堂で「横穴墓PARTU 古墳の副葬品にみるかながわの地域性」です。天候に恵まれれば、講座の前に宮ノ前遺跡を見学する予定です。当日参加も受け付けますのでご連絡下さい。



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会場の県立歴史博物館、開館前に受付
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地下講堂での講話

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主任学芸委員の嶋村元宏さんによる「アジアの中の日本開港」

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主任学芸委員の角田拓朗さんによる特別展の解説

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特別展「真明解 明治美術」(増殖するニューメディア)

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番外編:世界の帆船模型展「ペリー黒船艦隊と横浜村」(9/8〜17 みなと博物館にて)